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電子式保冷庫の修理

ペルチェ素子型保温保冷庫

買って1年だが・・・

壊れた電子式保冷庫

仕事場で使っている電子式保温保冷庫が息絶えました。AC100VとDC12V兼用で、保温庫にも保冷庫にもなる5リットルタイプです。オーム電子製(中国製)で、使用してからまだ1年しか経っていないのですが、壊れました。

楽天で1万円以上したので、何とか直したいところです。

動かなくなった

電子機保冷庫の裏面パネル

スイッチを入れると、LEDランプは点くものの、無音で、冷たくも温かくもなりません。

通常は、網目の丸窓の奥にあるファンが回る静かな音が聞こえるのですが、どうやらこれが回っていないようです。

壊れた保冷庫の内部

ひとまず、裏面パネルを開けてみます。上方に電源ソケット、スイッチ関係の基板が、下方に薄型のファンがついています。このファンが壊れたのでしょうか。

ブラシレスモーター

保冷庫のファン

ファンを取り外してみました。見た目は特に変化はないようです。これはブラシレスモーターの軸に直接羽がついたもので、PC内部の冷却ファンなどによく使われます。

一般的なモーターは、磁石で囲まれた空間にコイルを巻いた軸を通して電気を流すことによって軸を回転させます。高校物理で習う「フレミングの左手の法則」というやつです。

しかし、電流の向きが一方向だと、コツッと動いただけで動きが止まってしまします。そこで、軸に付いた端子(ブラシ)が回転することで通電する電流の向きを機械的に切り替えることにより連続的な回転を維持します。

これに対して、プラシレスモーターは、電気を通すコイル側を固定させ、磁石を軸側に付けることにより回転させるので、ブラシが不要になります。しかし、機械的に電流の向きを変えることが出来ないので、半導体を使って電子的に回転角度をセンシングして電流のプラスマイナスを切り替えます。ブラシの機械的摩耗はありませんが、電子部品を用いる分高価になります。

ファンが壊れたのかなとガチャガチャいじっていたら、しまった、やっちゃいました。羽をバキッと折ってしまいました。

仕方がないので、新しいものを購入します。DC12Vの2ピン式(コードが2本)のものは少なく、主流は4ピン式のようでしたが、350円ほどで見つけました。コードの先は裸のままでしたので、もとのファンに付いていたピンジャックを接続しました。

スイッチ基板

スイッチ部の基板

こちらはスイッチ部の基板です。奥のスイッチが入力電源をAC又はDCに切り替えるもの、手前のスイッチが冷蔵と保温(中央はOFF)を切り替えるものです。冷蔵の時は綠のLEDが、保温の時は赤いLEDが点灯します。赤色LEDの隣に固定抵抗器、その隣の2つの黒いのは整流用のダイオードか何かでしょうか。

手前のソケットには先ほどのファンが接続されます。

放熱板

冷温機の放熱板

こちらは放熱板です。この下に、冷温機の心臓部であるペルチェ素子が隠れているはずです。後ほど開けてみましょう。

ペルチェ素子は、電流の向きにより、片面が冷たく、もう片面が熱くなります。冷却の際にはこちら側が熱くなるので、この放熱板で熱を吸収し、さらに冷却ファンで空冷します。その隣のセラミックっぽい白い箱は何だかよく分かりません。

AC-DCコンバーター

この基板はAC-DCコンバーター、つまり家庭用コンセントから取る交流電源を直流電源に変換するパーツです。

写真の下側にAC100Vが入力されると、様々な回路を通過していき、最終的に上側の出力端子からDC12Vがはき出されるというものです。PCなどではこの基板がすっぽりと黒い箱に覆われていることが多いと思いますが、その中身は概ねこんな感じです。

中央に鎮座ましている四角い黄色のコイル。これがこのコンバーターの主役、アイソレーションです。12Vで7A、つまり84Wの変換ということになりますが、ホントにそんな高出力でしょうか。ほかにも様々な電子部品が付いているので、最終的に何アンペアの電流に変換されているのか、私には分かりません。

通電テスト

1.5Vの電圧しか出ていない

では、いくつかテストをしてみましょう。DC12V電源をクルマから繋いで試してみると正常に作動するので、なんとなく上記のコンバーターが怪しい気がするのですが、実際にどれだけの電気が流れているのか、テスターで調べてみます。

まずはファンを繋ぐソケットです。ファンは12V 仕様なので、ここには12Vの電圧で電気が来ているはずです。

ところが、あらら。0.8Vしか電圧がありません。これではファンは回らないはずです。

もう少し遡って計測しましょう。コンバーターから出てくる部分にテスターを当ててみます。1.5Vくらいでしょうか。やはりコンバーターがおかしいですね。

修理不能

念のため、コンバーターへの入り口を計測します。こちらは正確に交流100Vが来ています。

ということで、この辺りで行き詰まりです。それに基板の上のどの部品が壊れているのかが分かりませんので、個々の部品交換は無理です。また、12V7Aという基板を探してみましたが、見当たりません。今回は、修理不能という結末でした。

 

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