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フロント回りから行きましょう。以前組み上げたステアリングリンケージが機構の中心になるので、これをガッチリと固定します。
塗装済みであったことと、接着面に若干の歪みがあったことからプラセメントでは強度不足で、瞬間接着剤を使用しました(①の部分)。
完全に固着したところで、左右のトランスバーリング(②)をステアリングリンケージの基部に嵌め込みます(③)。
続いて、トーコントロールアーム(④)と、タイロッド(⑤)をサスペンションのフックにパチッと嵌め込みます。折れてしまわないように慎重に行います。
240ZGのブレーキとクラッチは油圧式になっています。構造は現代車とほぼ同じで、運転席の前方付近に、それぞれのマスターシリンダーが配置されています。
手前の黒い鍋のようなものがブレーキブースター(倍力装置)、そこから伸びているのがブレーキマスターシリンダーです。
その奥に見えている方はクラッチマスターシリンダーです。
ブレーキの方のみ安全性の配慮からブレーキオイル(ブレーキフルード)のリザーバータンク(予備タンク)が付いています。
前述のサスペンションの取り付けで紹介したように、ステアリング機構はラック&ピニオン方式が再現されています。
ここにステアリングシャフトを接続して、運転席のステアリングホイール(ハンドル)へと導きます。ステアリングシャフトは写真のように関節のような仕組みになっています。
関節構造ですので、ステアリングホイールの回転が、ピニオンへ回転運動として伝わり、さらにラックのギザギザを介して左右運動に変換されます。
エンジンをシャーシに取り付けます。エンジンは、フロントサスペンションに上方向から固定され、さらに車体底の中央に下方向から固定されます。固定ポイントが少ないので、瞬間接着剤でがっちり固定します。
取付完了です。底面から見るとこんな感じです。固定個所は丸く囲んだ3箇所しかありません。前方の左右2か所の固定は、実車同様にゴム(キットではポリエチレン)製の振動吸収用エンジンブーツの上に固定されます。
同時並行でドライブシャフトもうまく収まりました。
エンジンが燃焼すると、シリンダーの排気弁から排気ガスが排出されますが、これとは別にエンジン本体の内部にも燃えカスが放出されてしまいます。
これをブローバイガスといいますが、通常はエンジン上部の排気口からブリーザーホースを伝ってエアクリーナに導かれ、フィルターを通したのち再度吸気口からエンジンに送られます。
しかし、240ZGはエアクリーナーを廃してエアファンネルから直接吸気するので、このブローバイガスの行き場がありません。
レーシングカーなどではそのまま大気中に垂れ流してしまいますが、市販車ですのでエアボックスという浄化装置を特設しています。
ラジエーターの取り付けです。ラジエータからはIN/OUT両方のラジエータホースが再現されています。ホースの接合部には細切りにしたアルミテープを貼付するとそれっぽくなります。
ラジエーターの取り付け位置がはっきりしないので、ボディを仮組して位置を確認します。
この当時のバッテリーは本体の色が黒いものが多かったようです。上部のキャップは黄色なので、マスキングをして塗り分けます。+-両極から延びるコードを追加してそれっぽく仕上げます。
ここまでの組み立てにより、エンジンルームは後述のロールバーを除いて完成になります。1/12のキットだけあって、パイピングをはじめ、補器類の再現も大変忠実にできています。
しかし、エンジン組み立ての工程でも紹介したとおり、このエンジンは給排気系を中心にエンジンの左側に機構が偏っており、さらに240ZGでは、ノーマルの240Zに比べてエンジンルーム右側の補器類が少ないため、何となくエンジンルームの右側がスカスカです。
そこで、ここからはプラモデルのいいところ、ジャンクパーツを漁って、補器っぽいものを適当に追加してみることにします。あわせて、パイピングも追加し、それっぽく仕上げてみました。本物よりも本物っぽく仕上げるコツです。
240ZGには、車体のロール(ねじれ)を抑制するためのタワーバーがエンジンルームを横切ります。カスタム仕様なので付けても付けなくてもどっちでもよいのですが、ちょっとカッコよいので装着することにします。
なお、車室内のロールバーも用意されていますが、こちらは装着しない予定です。
現代車ならさしずめカーボンファイバー製でしょうが、当時のタワーバーは金属製のようです。塗装色の指定がX32チタンシルバーになっています。さすがにチタン製ということはないと思いますがよく分かりません。留め具の青い部分は鉄製のようです。
実際の塗装は、全体をMr.カラーのシルバーと色ノ源イエローを調色したもので塗装し、留め具部分をタミヤエナメルカラーのメタリックブルーで塗装しました。
タワーバーはエンジンブロックを跨ぐように装着しますが、イグニッションコードの束をギュッと押し付けないと収まりません。浮き上がった状態では恐らくエンジンフードが閉まりません。
そこで、ネジ頭として再現されている留め具の突起部分を切り飛ばし、更にピンバイスで穴を開け、短く切り詰めた直径0.5㎜の虫ピンを刺して固定しました。
排気管はキットのシングルマフラーをディテールアップして装着しようと思います。
キットのプラスチック部品は成型上の限界で肉厚です。実車はステンレス製なので、アルミパイプか何かに交換してもよいのですが、「なるべくプラスチック部品を使ってそれらしく」ということで、元のメッキを落とした後、ギリギリまで薄く削り、内部をフラットブラック、表面を艶ありのブラックで塗装後、Mr.メタルカラーでメッキ調に仕上げました。
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