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愛用のスマートフォンの調子が悪くなりました。モトローラ製のmoto-g10という機種です。NFCが使えなくなりました。
NFCとは、接触型の通信機能のことで、ICチップ付きのカード(交通系カードとか、マイナンバーカードとか、楽天Edyなど)の読み込みに利用します。国内系のスマホだとこれにおサイフケイタイの機能が追加され、スマホ決済にも利用できます。
もともと感度はあまりよくなかったのですが、ここ最近全く反応しなくなってしまいました。ソフトウェアの問題かなといろいろいじってみたのですが、どうもハードの問題のようです。
そこであらためてスマホ本体を眺めてみました。ゆっくりとした変化だったのですぐに気づかなかったのですが、どうもスマホの裏側が膨らんでいるような気がします。
初期状態を正確に記憶していませんが、机上に置いて操作しようとすると、グラグラして安定しません。
どうやら、内臓バッテリが膨張して変形しているようです。
昔の「ケイタイ」の時代は、バッテリー交換は自分で出来ました。ドコモやauなどのキャリアからも交換用のバッテリーが普通に売られていて、電話機の電池蓋を開けて誰でも電池交換ができるようになっていました。
しかし、スマホ時代以降は、電池交換用の裏蓋は廃され、素人では電池の交換ができないようになってしまいました。
ではどうするのかというと、キャリアの純正端末(SIM付)であればキャリアへ、それ以外(SIMフリー)であれば、スマホ修理業者へ持ち込むことになります。
moto-g10はSIMフリーなので、修理業者への持ち込みということになりますが、メジャー機種ではないので業者が限られます。修理代も8,000円から10,000円程度、近所に持ち込める店舗がなければ郵送での修理依頼になるので、日数がかかること加え、本体のデータバックアップと消去が必要になるなど、不便な点も多いです。
いかにも、電池がダメになったら本体も買い替えてね、と言わんばかりのメーカーの態度はこのSDGs時代にも逆行しますので、DIY主義の私としては何としても自分で交換する選択肢しかありません。
バッテリー交換用の専用の蓋はありませんので、本体の裏蓋をガバッと開けることになります。
最初にスマホの電源を落とします。
続いてSIMカードとメモリカードの入っている差込口を開け、これらをトレーごと取り出すことろから始めます。
写真のような、スマホ修理専用の工具もアマゾンなどで売られています。裏蓋をこじ開けるためのオープナー、小型のドライバー、接着剤、吸盤などです。1,000円弱で入手できるので、何も道具を持っていない人はゲットするとよいでしょう。私のように通常の工具を普通に持っているような場合には、改めて購入する必要はありません。
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スマホの裏蓋はカッチリと止まっていますが、先ほど取り外したSIMカードスロットの下側に治具を差し込み、ここから外していくのがよいです。
写真は専用の治具を使っているところですが、マイナスドライバー、ギターのピック、バターナイフなど、代用できるものは家の中を探せば何かしらあります。
裏蓋は、周囲10か所程度のフックでカチッと嵌っているので、これを一つずつ順に外していくます。無理やり力づくで外すとフックが折れてしまうので、じわーっと力を入れながらやさしく外していきます。
フックをすべて外すと、裏蓋はガバッと開きます。ただし、カメラレンズと指紋認証センサの周囲(写真で黄色く囲った部分)には接着剤が塗布されており、特に気温の低い日の作業時には、裏蓋の外側からヘアドライヤー等で温めてやった方が外しやすくなります。この日は夏の暑い日だったので、ドライヤーは使用せず、メリメリとはがすことができました。
スマホの内部はこんな風になっています。ご覧のとおり、全体の1/3はバッテリーが占有しています。バッテリーを小型化する、あるいは消費電力を下げることで、まだまだデバイスの小型化余地はありますね。
そのバッテリーですが、写真のようにぷっくりと膨張しています。
そうすると、蓋の内側部分に付いているNFCアンテナが本体と接触しなくなってしまいます。これがNFCが反応しなくなってしまった原因です。
では、バッテリー交換のための作業を続けていきましょう。
バッテリーを取り出すには、上部にある基盤部分のパネルを取り外す必要があります。この基盤周囲は黒いコーキング剤のようなものでシーリングされています。
ピンセットで摘まむとテープのようにぺりぺりと剥がれていきますので、すべて除去します。多少の防水効果などがあるのかも知れませんが、さほど重要な意味合いはないと思われるので、再組み立ての際もコーキングは不要でしょう。
基盤パネルを外すためのネジは2種類計9個あります。すべて極小のプラスドライバーで外すことができます。思ったよりネジが多用されているんだなという感想です。外したネジをなくさないよう注意しましょう。
すべてのネジが外れたら、基盤パネルをゆっくり持ち上げます。
その際、基盤パネルの上に載っている指紋認証センサー傷付けないようにずらしながら基盤を持ち上げます。
次に、指紋認証センサーを取り外します。指紋認証センサーは平べったいコネクタで接続されているので、これをそっと治具で持ち上げて外します。
これでようやくバッテリーが外せます。まず、バッテリーのコネクタを先ほどの指紋認証センサーのコネクタ同様の要領で外します。
バッテリーは、スマホ筐体に直接糊付けされています。本体裏蓋を開けた時と同じように、適当な治具を差し込んで、メリメリと接着剤をはがしていきます。寒い日であれば、スマホの画面側からヘアドライヤーで温めると外しやすくなります。
写真のように、電池裏側のカバーが皺くちゃになっています。内部でガスが発生して膨張してしまった結果です。
スマホ筐体のバッテリースペースはこんな感じです。メリメリと糊を剥がしましたが、指で触るとまだネバネバしており、このまま新しいバッテリーも固定できそうです。粘着力が弱いようなら、補修キットに入っている接着剤を利用するとよいでしょう。
取り換え用のバッテリーは、必ず同じ型番のものを購入しましょう。機種によって、サイズや電圧などが悉く異なっています。moto-g10の場合は、MOTOROLAのJK50というリチウムイオン電池です。
このようにすっぽりと収まりました。前述の接着剤だけで固定されるので、しっかりと押さえつけて固着させます。
それでは、ほかの部品を元に戻していきましょう。
まずは指紋認証センサーです。コネクタを元通りに差し込みます。繊細な部品なので慎重に作業します。
つづいて、バッテリーのコネクタです。指紋認証センサーのコネクタ同様、慎重に装着します。
この段階で、起動テストを行っておきます。SIMカードは入っていない状態ですが、正しく起動するか、指紋認証センサーが反応するか、についてテストします。
結果は良好。起動もしましたし、指紋認証センサーも正しく反応しています。
次に進みましょう。
基盤パネルを元に戻し、先ほど外した9個のネジを締め直します。
裏蓋はパチンパチンと止めていくだけなので、工具は不要です。慌てず一か所ずつ丁寧にはめていきます。
最後にSIMカードスロットを差し込めば完了です。
改めて起動テストをしてみましょう。電源、タッチパネル、Wi-Fi、電話通話、指紋認証センサー、カメラ、NFC、充電、イヤホンジャックなど、ひと通り確認します。
結果は良好でした。
新しいバッテリーは、通常は初期セットアップ(ウォーミングアップ処理)が施されており、そのまま普通に使えるのですが、場合によっては購入後にウォーミングアップが必要なことがあります。電池がすぐなくなるとかフル充電できないような場合はその可能性が高いです。いったん完全にバッテリーを使い切り、フル充電を行うことを2~3回繰り返すことでウォーミングアップができます。
ところで、古いバッテリーはどうすればよいでしょう。リチウムイオン電池は、絶対に普通にゴミ箱に入れてはいけません。普通ごみにリチウムイオン電池が混入していたために、ごみ収集車やごみ処分場が大火災になる事故がたびたび発生しています。
この古い電池、どの程度危険なのでしょう。扱い方を間違えると極めて危険ですが、正しく扱えば心配することはありません。
電池が膨張してしまったというのは、異常通電などが原因で電池から余計なガスが発生してしまったことによります。リチウムイオン電池は周囲をフィルムで密閉しているためガスが発生すると膨張してしまうのです。実は普通の乾電池でもガスは発生するのですが、通気口が付いているのでガスは抜けていくのです。
危険なのでやってはいけませんが、膨らんだフィルムに針で穴を開けると、中から甘い香りのする白っぽいガスが出てきます。水や酸素に反応して爆発するかと恐れるかもしれませんが、その心配はありません。万が一、電池が過熱して煙が出てきた、なんてことがあったら、バケツに水を張って水没させるのが得策です。
最も危険なのが、電池本体を破損させることです。たまにスマホを尻ポケットに入れて転んだ際に壊れたスマホから出火したという事故もありますが、内部で異常な化学反応が急激に起こると瞬く間に出火してしまいます。
ではどうするのかというと、リサイクルです。
最も身近なのは、お住いの自治体のごみ収集ルールに従うことです。決まった曜日に分別して出せば持って行ってくれることもありますし、市区町村役場などに回収ボックスを置いているケースなんかもあります。
また、家電量販店やホームセンターなどに回収ボックスが置いてある場合もあります。
探せばどこかにありますので、くれぐれも普通ごみに出したり、街なかのごみ箱に入れたりしないでください。大惨事になります。
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