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実車の標準カラーは、レッド、ホワイト、マルーンの3色でした。今回は、特徴的な標準色であるマルーン(フランス語で栗)で塗装しようと思います。
キットのパーツ成形色はホワイトです。マルーンはあまり使い慣れていない色なので、どのような色の重ね方がよいか、実験してみます。
写真は、白いプラ板に、左側から①何も塗らない、②レッド、③グレイのサフ、④ブラックをそれぞれ下塗りとして塗装したものです。
その上から、マルーンを塗装しました。写真では分かりづらいですが、①下塗りなしの上に塗ったマルーンは、軽めの印象、つまり光を透過してしまっている印象です。プラモデルがおもちゃっぽく見えてしまう一番の原因がこれです。もっと色を重ねればよいのかも知れませんが、遮光率を高めた方が重厚感が出そうです。
続いて②の下塗りレッドの場合は、遮光度は高まりましたが、かなり赤茶色っぽい色味になりました。
そして③グレーサフの上の場合は、同じく遮光度は高いのですが、くすんだ色味になってしまいました。
最後の下塗りブラックの場合は、当然遮光度は抜群ですが、焦げ茶色っぽい色味になりました。
さてどうしようかと思案していたところ、スグレモノを発見しました。
GSIクレオスから出ている「マホガニーサーフェイサー」です。まさに茶色塗装の下地のために作られた製品です。これを使ってみましょう。
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GSIクレオス|GSI Creos Mr.マホガニー サーフェイサー 1000 スプレー(170ml)B528
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ヒケやパーティングラインの補正、給油口の開口改造などの補修工事が終わったら、全体のキズ確認も兼ねて、通常のグレイサーフェイサーを吹きます。
この上から、先ほどのマホガニーサーフェーサーを全体に吹いていきます。
グレイのサフを吹いた段階で、諸々再補正をしたつもりでしたが、マホガニーサーフェーサーを吹くと、さらに追加でヒケが目に付いてしまいました。気がついた以上は、直しましょう。
再度パテを盛って、サンドペーパーで均し、改めてサフ、を繰り返します。
再々補正が完了したら、最後にドアやボンネットなどの部品を仮組みして、とどめのサフ吹きをします。仮組みしてから塗装するのは、塗膜の厚みを部品間で統一するためです。
サフが乾燥したら、800番と1200番のスポンジやすりで、表面をスベスベにしておきます。
TS11マルーンはスプレー塗料なので、細かい部分の塗装には不向きです。入り組んだ部分や端の部分の塗装の際には、余計な厚塗りや塗料の浪費を防ぐため、塗料をエアブラシに取って事前塗装します。塗料取り出しの無駄が生じるので、「塗料の浪費を防ぐ」という目的には不完全かも知れませんが。
続いて、部品ごとに塗装を進めます。いちどに厚塗りせず、3回程度に分けて重ね塗りします。塗装中は様々なトラブルに見舞われます。最初の写真は、塗装面にほこり(糸くず)が付着したところです。このような場合には、慌てず乾燥してからサンドペーパーで除去して塗装し直します。
ふたつ目の写真は「カブリ」です。この作業を行っていた季節は夏でした。台風の合間の晴れ間を見て吹き付けたのですが、写真のように白く曇ってしまいました。溶剤系の塗料を湿度の高い環境で使用すると、このように空気中の水分が塗料に混入して乾燥途上で白い曇りとして残ってしまいます。この現象を「カブリ」といいます。カブってしまった場合の対応策は、その上から塗り直すだけです。
エアブラシであれば、エアの吸い込み過程にエアレギュレーターという水抜きの機器を咬ませることで防止可能ですが、缶スプレーでは無理です。カブリを防ぐには、湿度の低い好天の日に塗装するのが一番です。ちなみに、水性塗料であればカブリは起こりえません。
マルーンを3回ほど塗り重ねたところです。十分な塗膜はできたと思いますが、光沢感は乏しいです。十分に乾燥させ、1500番のサンドペーパーで表面の波を均します。ホコリの付着などがあれば、この段階でサンドペーパーで削り落としておきます。
続いてクリヤーを吹きます。レーシングカーのようなデカールの保護は不要なので、マルーンの梨地肌をカバーする程度の厚さで十分です。
Mr.カラーのスーパークリアーⅢをレベリングうすめ液で1:1程度に希釈して3回程度、さらに1:3程度のシャバシャバに薄めたものを2回程度吹き重ねます。
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Mr.カラー (GX100)スーパークリアー3 光沢 [油性塗料] GSIクレオス
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クリアーが乾いたら研ぎ出しの工程に移ります。
最初に、1500番、2000番のサンドペーパー、次に3000番の研磨フィルムで表面のうねりを均します。
均した部分は、写真のようにいったん艶がなくなります。
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サンドペーパーでの研磨が終わったら、次はコンパウンドによる研ぎ出しです。
私はタミヤコンパウンドの粗目・細目・仕上げ目の3種類を使うことが多いです。タミヤコンパウンドの優れた点は、水溶性という点です。削りかすを水で洗い流すことができるので、とても便利です。
写真は粗目のコンパウンドで磨いた段階です。蛍光灯が反射していますが、まだ輪郭がぼやけていますね。
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こちらの写真は細目で磨いた段階です。蛍光灯の反射がだいぶきれいになってきました。
そしてここでとどめのクリヤーコートをしました。このまま仕上げ目のコンパウンドで終わりにしてもよかったのですが、もう一押ししてみました。かなりピカピカな感じです。
ちなみに、クリヤーコートの際には、全体の光沢感の差をなくすため、ボンネットやドアなどは仮組みをしてから塗装します。
仮組みには、こちらの「仮止め専科粘着テープ」というものを使います。
よく買ってきたばかりの家電製品の部品仮止めに使われている青いテープです。
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◆松浦工業 まつうら工業 仮止め専科 カッター付 18mmX15m
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とどめ吹きの後は、仕上げ目のコンパウンドで仕上げるだけです。鏡のようになりました。
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