№37(2023年)
神奈川県三浦市にある周囲長約4 kmほどの小さな島です。小さなと言っても、自然の島としては神奈川県で最大の島です。
漁業と観光の島で、マグロで有名な対岸の三崎港と一体で、豊富な魚資源に恵まれるほか、観光地としても古くは鎌倉時代に源頼朝が来訪していたことでも知られています。
明治の頃は、三崎~東京間に汽船が就航するなど、城ヶ島避暑地としても賑わいを見せました。そして大正時代には北原白秋の『城ヶ島の雨』でさらに若い男女の憧れを集め、ロマンの島として全国に名を知られるようになりました。
ところが、関東大震災の影響で、それまでの砂浜が地盤隆起によって岩場になってしまい海水浴客は激減、折しもの戦争激化により、城ヶ島は砲台の設置などにより要塞としての役目に変遷しました。
その後、都心に近い観光地としての魅力が再認識され、城ヶ島大橋の開通も相まって、砲台跡地は県立城ヶ島公園として整備されるなど、復活を遂げました。
作品に取り上げたのは、城ヶ島の天然の名所のひとつ、「馬の背洞門(うまのせどうもん)」です。自然が作りだした見事な景観で、岩が長い年月をかけ波で削られてアーチ状になったものです。周辺の磯では、干潮時に潮だまりができ、ウミウシなど色々な種類の海の生き物を観察することができます。
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